自分で決めた損切りを守れず、10万円から79万円まで増やしたお金を全額失いました。
「もう少し待てば戻る」と損切りをずらす。利益が出れば、減るのが怖くて早く確定する。だから、その場の感情を挟まず、決めた条件で取引するEAを作ってきました。
前回までの記事では、相場の状態を考慮しながら四つの売買条件を動かすMultiRegimeを振り返りました。今回は、それを進行中の相場で動かしたフォワードテストの途中経過です。
2026年9月21日から11月5日までに決済した記録は41件。損益の合計は+261でした。始まりの残高396,109に対して、終わりは396,370。ほぼ元通りです。
ただ、途中もずっと同じ残高だったわけではありません。一度は380,576まで減り、そのあと持ち直しています。
損切りを任せても、負ける取引は続いた
最初に確認できる9月21日の取引は、売りでした。結果は損切りで−1,529。9月24日の売りも−1,359でした。
その次の買いは+1,896で利確。それでも、そこから負けが重なります。期間中の勝ちは13回、負けは28回。勝率は約31.7%でした。
僕は裁量で、負けを確定したくなくて損切りを動かしていました。今回の記録には、設定した損切り価格で終わった取引が数多く残っています。9月30日には、損切り価格を越えて決済された取引もありました。
損切りを置いても、その金額で必ず止まるとは限らない。これは、机上で予定した損失と、実際に決済した損失の違いとして確認しておきたい点です。
残高が戻ったから、安心していいのか
9月21日の最初の取引前に記録された残高は396,109。取引の損益を順に足すと、10月14日の決済後に380,576まで減っています。開始時から15,533、約3.92%の減少です。
これは決済損益から追った残高の下落で、保有中の含み損まで含む最大ドローダウンではありません。
そのあと、10月22日の売りで+4,022、翌23日の売りで+3,347。11月5日の最後の取引も+2,510でした。勝つ回数は少なくても、比較的大きな利益で、それまでの損失を取り戻した形です。
| 9月21日〜11月5日の決済記録 | 集計結果 |
|---|---|
| 取引数 | 41回 |
| 勝ち/負け | 13回/28回 |
| 勝率 | 約31.7% |
| 損益列の合計 | +261 |
| PF(利益合計÷損失合計) | 約1.009 |
| 期間開始前の残高 | 396,109 |
| 最後の決済後の残高 | 396,370 |
※金額はCSVの単位です。口座通貨および実・デモ区分は、今回のファイルだけでは確定していません。
PFは、利益合計が損失合計の何倍だったかを表します。今回は約1.009。わずかにプラスでも、十分な利益が残ったと評価できる数字ではありません。
四つの戦略は、同じ結果にならなかった
口座全体ではほぼ横ばいでしたが、戦略別に足すと違いがあります。
| 戦略 | 取引数 | 損益列の合計 |
|---|---|---|
| Trend Pullback | 10回 | +11,080 |
| Volatility Expansion | 2回 | +1,444 |
| EMA Continuation | 11回 | −3,311 |
| Donchian Breakout | 18回 | −8,952 |
| 合計 | 41回 | +261 |
押し目を狙うTrend Pullbackが利益を残す一方、高値・安値の突破を狙うDonchian Breakoutは損失が大きくなっていました。
それなら負けた戦略を外せばいい、と考えたくなります。でも、41回の結果を見てから選んでいる点には注意が必要です。利益の出た戦略も、次の期間に同じように稼ぐかはまだ分かりません。特にVolatility Expansionは、たった2回の結果です。
さらに、一つの戦略を外せば、その戦略の保有中に見送られていた別の注文が入る可能性もあります。赤字の金額を表から消しただけでは、組み替えたEAの成績にはなりません。
時間足を切り替えたときのファイルは、足し合わせなかった
運用中、MT4の表示時間足を何度か切り替えています。そのため、ZIPにはM1、M5、M15の名前が付いた取引ファイルが入っています。
チケット番号を確認すると、M1とM15には同じ13件が出力されていました。それぞれの損益合計は−5,380。両方を足せば、同じ損失を二度数えてしまいます。
M5のファイルは別の8件、合計+6,767でした。これだけ見ると好成績ですが、期間全体を表してはいません。
そこで今回の集計は、時間足名の付かないClosedTradesの決済履歴を中心に、チケットの重複がない41件を使いました。9月21日の取引前から11月5日の最後の決済後までの残高差も、+261で一致しています。
時間足を切り替えた時点では注文や決済のタイミングではなかった、というのが今回の操作についての説明です。ただし、ファイル名から実際にどの足で注文判定したかまでは確定できません。時間足変更による注文条件への影響は、別途実行記録との確認が必要です。
予定どおりの利確・損切り以外にも、決済があった
10月29日と11月4日には、約定時の価格のずれが制限にかかったとして、緊急決済した安全ログが残っています。対応する取引は−82と−35でした。
これらも、今回EAを動かした結果に含めています。売買ルールが狙った利確・損切りだけを抜き出すと、口座で実際に起きたことと違ってしまうからです。
一方、決済理由がOTHERとなっている全取引を、手動決済や異常終了と決めつけることもできません。予定の利確価格を超えて有利に決済され、コメントには利確を示す記録があるものも含まれていました。
今の評価は、運用を拡大する段階ではない
この41取引の結果から、資金やロットを増やす判断はしません。収益性の評価は保留です。
条件に従って注文し、損切りや利確をした記録は確認できました。ただし、全動作が正しかったと監査し終えたわけではありません。価格のずれによる緊急決済もあり、時間足の切り替え前後の動作も、引き続き確認する対象です。
利益については、約1か月半の41回を終えて、開始時とほぼ同じ残高です。四つの戦略が補い合った結果とも読めますが、これを安定して稼げるEAと呼ぶには、まだ根拠が足りません。
僕がEAに期待したのは、感情で損切りを動かして大損する取引から抜け出すことでした。今回、損切りされた取引も含めて記録を残せたことには意味があります。でも、その先に欲しいのは、ルールを守ったうえで利益が残ることです。
今は、ほぼ元通りになった最後の残高だけで安心せず、どの戦略が、どんな取引で増減させたかを見ながら、次の結果を確かめている段階です。
集計は提供されたXAU_MultiRegime_v1924_PHASE2BのZIPに基づきます。ClosedTradesのチケット41件を重複確認し、profit_money列を再集計しました。対象は9月21日から11月5日までの決済取引。9月18日の実行記録は対象期間に含めていません。最終Heartbeatは11月6日で残高・有効証拠金とも396,370でした。コードや設定の変更履歴、口座通貨、口座の実・デモ区分、全入出金、売買コストの網羅性は未確定です。時刻はログ表記です。
